自民党の鶴保庸介参議院予算委員長が2025年7月8日の参院選応援演説で放った「運のいいことに能登で地震があった」との発言は、甚大な被害を受けた能登半島地震の被災者の心を深く傷つけました。
当然、政界にも激震を走らせることになり、鶴保議員は発言を撤回し謝罪しましたが、その去就を巡る議論は収束するどころか、辞任を求める声が日に日に高まっていました。
1 辞任要求の高まりと世論の反応
鶴保議員の「運のいいことに」発言は、災害という悲劇を不謹慎にも「運」と表現し、被災地への配慮が著しく欠如していると、瞬く間に世論の厳しい批判を浴びましま。
発言直後から、SNS上では「議員辞職を」「国民の代表として失格」といった声が殺到しています。
各メディアもこの問題を大きく取り上げ、鶴保議員に対する辞任要求は日に日に高まっていきました。
特に被災地からは、怒りや悲しみを超えて、深い失望の声が上がっています。
輪島市議会や珠洲市議会が抗議文を送付したことは前述の通りです。
被災者一人ひとりが、この発言によって再び傷つけられたと感じているおり、瓦礫と化した故郷で、不自由な生活を強いられ、先の見えない不安を抱える中で聞かされたこの発言は、彼らの心に拭い難い爪痕を残しました。
2 自民党内の動揺と「辞任なし」の波紋
鶴保議員の謝罪会見後も批判が収まらない中、自民党内でもその対応に苦慮する様子が見られました。
森山裕幹事長が厳重注意を与えたものの、野党からは「厳重注意で済むレベルではない」との声が相次ぎました。
党内には、夏の参院選を控える中で、この問題が選挙戦に与える悪影響を懸念する声も少なくありませんでした。
しかし、鶴保議員自身は会見で「議員辞職は考えていない」と明言していました。
この発言は、さらなる波紋を呼ぶことになります。
「責任を取る姿勢が見られない」「国民感情と乖離している」といった批判が噴出し、自民党全体の支持率にも影響を与えかねない状況となったのです。
与党内からも「今回の件は重い」との声が聞かれ、鶴保議員の進退が、党の姿勢そのものを問われる事態へと発展していきました。
3 辞任がもたらす意味と今後の課題
鶴保議員が辞任しましたが、それは単なる一個人の進退問題にとどまりません。
政治家がその言葉の重みに責任を持つ必要があるのです。
今回の騒動は参院選以降の石破政権に多大なダメージを与えるのは必至、巻き返すことができるでしょうか。
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